名探偵Ｚ/芦辺拓 - とある読書録

で、オルメスシリーズを「とんでもな内容だがミステリである」と受けとってその追随として描かれたと思われるのがこちら。ミステリであるという意識がない分オルメスの方が滅茶苦茶度は上なのだが、芦辺もなかなか上手く模倣している*1。

ただ、惜しむらくは怪光線とか変な怪盗とか本家がやっているものを模写しただけ*2なので、芦辺ならではの目新しさは全くない。コンセプトを同一にするなら各短編の質*3を上げれば良いのに、それも前述の通り本家の方が突きぬけているかなあ。

オルメスを読み尽くしてしまってもっと読みたいという人や、オルメスなんて高すぎて手がでねえよという人には薦めるが、オルメスをすでに読んでいてさほど渇望していない人には薦めかねる。

*1:決して否定的ニュアンスではない

*2:何度も言うが、これはこれで才能だと評価できる

*3:ユーモアとしての質という意味