細工は流々/エリザベス・フェラーズ
- 作者: エリザベスフェラーズ,Elizabeth Ferrars,中村有希
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1999/12
- メディア: 文庫
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エリザベス・フェラーズ一気読みもいよいよ佳境に入る。
『その死者の名は』の訳者後書きで中村有希さんも書かれている通り、初期フェラーズ作品は非常に若さに溢れていて瑞々しい。この作品もしかり。
愛すべきドジっ娘が毒殺され、現場からは何者かによる自動殺人装置が大量に発見される。書きようによっては(例えば北村薫あたりならば)、悪意が充満したやるせないお話になっているだろう。しかし、全くそんな匂いを感じさせないのはやはり初期フェラーズが持つ明るさなのである。
また、このシリーズは毎回、探偵小説のパロディもふんだんに取り入れている。今回はおそらくアレとかアレだろうか。もしそうだった場合、真犯人の造型などは恐ろしく悪い冗談ともとれるので、ある意味パロディの名作なのかもしれない。