2004-08-01から1日間の記事一覧

チェス殺人事件

ボーナストラック。推理の過程で明らかになる「謎解きのどうでもよさ」。人間が真理を感得するための越えがたい壁が立ちはだかる。 現場に残された証拠はどれも作為的に見え、どのようにも解釈できてしまう。ゲームの限界。 少ないページながら、小味の効い…

トランプ殺人事件

正直に告白してしまうと私はコントラクト・ブリッジを最後まで理解できなかった。ゆえに、読んでいてココとココがあーなって、このゲームにはこんな背景がありましたという部分の面白さはさっぱりわからず。無念。しかし思うに、竹本はこの3部作を通して、…

将棋殺人事件

奇妙な殺人事件の噂を追及することがこの作品の1つのテーマとなっている。噂と現実は片方が描かれれば、もう片方も影のように姿を現す。虚実を相対化しそれらの絶対性を揺らがせる行為こそ、この作品の最大の試みに他ならない。「噂」の事件に対しては精密…

囲碁殺人事件

ゲーム三部作のなかでも取り分け「真っ当」と言われる作品。私はスクエア竹本を読むのは初めてだったりする。 軽快なテンポ、極端に物語と乖離していない衒学(今回の場合は囲碁)、ルナティックだがゲーム探偵小説と地続きではある真相。デビュー作とはうっ…

定本ゲーム殺人事件/竹本健治

定本 ゲーム殺人事件作者: 竹本健治出版社/メーカー: ピンポイント発売日: 1992/10メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る